水道管の中を歩く

流れていく

『Over Drive』を読んで思ったこと

『Over Drive』という漫画を読んだ。コミックレンタルで読んだので時間なくてあっさりとしか読めてないんだけど。

 

OverDrive(1) (講談社コミックス)

OverDrive(1) (講談社コミックス)

 

 

高校生のロードレースのお話。いま流行りの弱虫ペダルと違うのは、目指してるのがインターハイとかじゃなくツール・ド・フランスってところ。日本人だけのチームでグランツール制覇という夢を持った大人が仕掛けるレースに高校生が集められる。

 

1巻はなんかラブコメか〜?と思って期待してなかった。2巻からじわじわ熱くなってくる。なぜ走るのか?なぜ自転車なのか?登場人物たちはみんなそれを探して、答えが出せないままに走り続けてる。それでも勝ちまくるいわゆる天才たち。

そのなかで主人公はいつもパシりをやらされてるような冴えない男子で、でも大好きな女の子が適当に言った「あんたは自転車の才能がある!」という言葉に感化されて、洗脳されたみたいに走る。私はそこが好きだと思った。

 

も ちろん主人公は自転車部に入って先輩の自転車への想いとか姿勢とかにもどんどん引き込まれて、女の子のためだけに走るなんてことはなくなってく。でもきっ かけはその一言だった。他の選手も友達が自転車に乗ってたからとか、家が自転車屋だったからとか、例外もあるけどきっとタイミングが違えば自転車じゃない ものに打ち込んでたかもしれない子供たちだ。

 

そういうのみるときっかけっていうのは本当に些細なものでいいんだと思う。不純でもいいんだと思う。

 

私はきっかけとか理由とかそういうもので優劣をつけるのは嫌いだ。女の子にモテたくて始めるギターとか、勉強しなくていいらしいから行く美大とか、漫画の主人公がかっこいいから始めたテニスとか、囲碁とか。最高だと思うよ。

理由なんてどうでもいい。結果だってどうでもいい。Fコードで挫折してギターやめても、美大が思ったのと違って中退しても、テニスは意外とお金かかるから無理ってなっても、囲碁の次にロード始めても、それはきっかけのせいじゃない。

なにかを始めるのにはパワーがいる。尋常じゃない面倒臭さ、いちいち口うるさく不足を指摘する先駆者の存在価値って?

憧れはそういう面倒臭さを黙らせてくれる。一歩を踏み出す起爆剤。

 

始 めた先には、やってみなければ分からなかった体験が溢れてる。能力的にこなせるものなのか、金銭的にはどうか、障害はさまざまあって。それでもそこになに を見出すか。能力がなくてもやりたいことなのか、金銭的に蓄えを作るまで時間がかかっても、歳をとっても諦めきれないものなのか。やってみて始めて思考が はじまる。

 

『Over Drive』の主人公は仲間を見つけた。歓声が勇気をくれることを知った。ひとりでは届かない場所まで連れて行ってくれるのは、負けたくないライバルの存在だと知った。

主人公の姿に登場人物たちは心を動かされて行く。自転車に乗る意味を見つけていく。でもその見つけた答えだって正解かは分からない。確かなのは、みんなたくさんの選択肢の中から自転車を選んだってこと。それだけでいいんだよなぁって思う。選び取っただけで、なにかきっかけに足を取られて、もしかしたら気の迷いで、それでいいんだよなぁって。

 

誰かの無責任な言葉が、漫画が、ゲームが、小説が、その他にもいろんなものが人生を変えることがある。きっかけはどうでもいい。結果もどうでもいい。とにかく始めなくちゃ。選ばなくちゃ。人生は短い。はやく早く速く!